グーグル、第2四半期決算を発表--アナリストの予想を上回る好決算
遅ればせながらGoogleの第2四半期決算の資料をざっと読んでみた。
経営者が四半期単位の売上の増減にあまり関心がなく、アナリストに対し十分な情報開示をしていないことを考えるとアナリストの予想を上回ったことをして「好決算」と報じるのもいかがと思うが・・・。
それでも、前年同期比の売上伸び率が第1四半期79%に対して、第2四半期77%と微減にとどまったのは立派というべきだろう。
尚、下記がIRページにあるRevenueの伸び率をまとめた資料。
気になるポイントは、"Google web sites"、即ちGoogle自身のサイトからの広告収入が前年同期比94%と高い成長率を以前ほこっているのに対して、"Google network web sites"、即ちブログなどに貼り付けられたAdsence事業の前年同期比伸び率が58%と低く、その2003年からの伸び率の低下も急な点にある。"Adsence狩り"などによるパートナーへの仕打ちのしっぺ返しとみるにはあまりに早計ではあるが、ブログという販売チャネルが増加していることを考えると違和感を少しおぼえる。
とは言っても、開示されている情報が限られているのでこれ以上は何ともわからない。自分が仮に投資家だとしたら下記の情報は欲しいと思う*1。
前者を具体的に言うと、Google Search、Google Maps、GMailなどの各サービスごとの広告収益。
これがわかると、既存と新規のサービスでそれぞれどれくらい収益の伸び率があがっているかが見え、Googleがどれくらい情報整理の世界でイノベーションをおこし、自身がそれによってどれくらい収益をあげているのかがわかる。
もっとも、そういう情報を開示したりする、短期的な収益向上につながる新サービス開発のプレッシャーがアナリストからかかったり、社内の人間がそれに傾倒することを嫌い実施しないだろうが・・・。
後者は、広告主と実際に締結した契約高。おそらく、広告収益として計上されているのは実際にクリックされた広告だけだろうから、売上のバックログは別にあるはず。
広告収益より受注高の伸び率が上回っていれば、しばらくの間広告収益も堅調に伸びることが予想できる。その反面、受注高の伸び率のほうがあまりに高すぎると広告に消費者をうまく誘導できていないことを意味するため、広告と検索内容のマッチング機能が不十分であることが予想される。
四半期決算で見えてきた--米金融業界との関係修復を図るグーグル
なんて記事もあるが、配当は一切しないなど基本的なスタンスは崩さないGoogle。上記のような情報もいかにもアナリスト的で、そういう要望に対しては「持っていれば株価はあがる!四の五の言わず黙って買っとけ」というスタンスをきっととるのだろう。
新しい資本主義の形を模索するのも、実践するのもかまわないが、であれば下記のような通り一編のIRではなく、「世界中の情報を整理しつくす」というミッションに向けてちゃくちゃくと実現をしているんだという共感や納得感がえられる、ミッション至上主義の斬新なIRをやって欲しいものだ。
Google Investors Relation
*1:以前のエントリーで「こんな会社の株は買わない」と宣言したが・・・