Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

"Wikipedia VS Britannica"ネイチャーの記事は正しいか?

"Wikipedia and open source"というエントリーでまたまたNicholas Carrがご立腹。

Today, whenever someone raises questions about the encyclopedia's quality, the readymade retort is: "Nature says it's as good as Britannica."
最近はWikipediaの質に誰かが疑問を投げかけたら、「ネイチャーはWikipediaの質はブリタニカと同等と言った」というのが決まり文句になっている。

ネイチャーの記事だけではなく、その記事を書いた記者から受信したメールの内容や調査内容が記載された補足資料に目を通し、ネイチャーの調査結果を正確に表現すると下記の通りと主張している。

"If you only look at scientific topics, if you ignore the structure and clarity of the writing, and if you treat all inaccuracies as equivalent, then you would still find that Wikipedia has about 32% more errors and omissions than Encyclopedia Britannica."
科学のトピックに限定し、記載が理路整然さを無視し、全ての不正確さを同等と扱うと、Wikipediaはブリタニカ百科事典を32%上回る誤りや記載漏れがある。

C-NETは"Wikipedia as Accurate as Britannica"なんてトピックを限定しない非常に誤解を招きやすいヘッドラインをつけておりけしからんし、1つ1つの間違いや記載漏れを見ると、Wikipediaのほうが重大な誤りや抜けがあるように見えるため、誤りの数だけ比較しても意味がないなどと、延々と引用も含め1728 Wordで語られており英語の勉強にはなかなか良い。

オープンソースそのものについては、その成果・良い点を認めながらも、Wikipediaについてはやたらと厳しいNicholas Carr。Wikipediaとブリタニカの比較論については以前""百科事典"と"千科事典""というエントリーで記載したが、それぞれの良いところに注目した上で使い分けを上手くやることが重要であり、どちらがより正確で、どちらがより優れているかの議論はそれ程重要ではないというのが私の見解。

ただ、事実をつみあげ、懐疑的な視点で物事を検証するその姿勢にはいつもながら感服するとと共に、ことWEB上での情報収集・学習をする上では自分もそういう姿勢でのぞむべく注意せねばと強く感じた。

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