実験的サービス置き場「はてラボ」
はてな、実験的サービスを提供する「はてラボ」--第1弾はSNSとWordLink
で紹介されているように、「はてラボ」なるものがオープンされた。
はてラボとは
はてラボは、はてなの正式サービスになりきれない実験的サービス置き場です。といったものに形を与え、小さな可能性を大きく育てることを目標にしています。
ご利用上の注意
- すべてが実験的なサービスです。完成度は総じて50%未満です。
- サービスが突然現れたり、突然無くなったりします。お預かりしたデータの保存は保証いたしません。
- 全てが無料サービスです。はてなポイントが使えたりはしません。
などの説明を読み気になったのが下記2点。
1点目について言うと、一昔前であれば「無料ならまぁ仕方がないか・・・」ということが通ったのだが、最近はベータ版やアルファ版などの無料サービスが溢れているため、本サービスはさておきベータ版やアルファ版などは「使って頂けるだけでありがたい」という状態になりつつある。
Google Videoの使い勝手の悪さでGoogleが酷評されたのも記憶に新しいし、「アクセス数と企業価値」というエントリーで以前紹介したが、「利用に応じてポイントを差し上げます」なんてサービスもでてくる始末であり、ユーザの目は厳しくなるばかり。
最近、どのサイトでも「評価をつけてください」的なものがついている。限られた数の積極的ネット参加者が、あまたのサイトに分散してしまうような気がする。私自身も、最近ちょっと疲れてきて、そういうのを見ると「あぁ、またか・・」と思ってしまう。
Web2.0と対立する2つの世界(その1)
なんて少し食傷気味な方がでるのもうなづける。
だからこそ、この時代においては、金銭は支払ってなくてもサービスの利用者は何某かの対価を支払っている意識は重要だと考える。
2点目について言うと、「はてラボ」のサービスが何かきらりと光るものを持っていて、ユーザに「50%未満、ちょっとネタ不足でもこんなに面白いのか?出し惜しみしないで、はてなの実験的なサービスをどんどんだしてよ!」と思わすことができるか否かが、はてなのアイデア力、開発力をはかる大きなバロメーターになると思う。
市場(というか、ユーザか・・・)のWEBサービスリリースに対する許容度の基準とはてなの市場へのサービスのリリース基準を比較した時に後者が前者を上回るのであれば、「はてラボ」、ひいてははてなの本サービスも市場に感動を呼ぶだろうが、後者が前者を下回ってしまい、「本当に50%未満で、ちょっとどころか相当ネタ不足だな・・・」となると、「はてなって意外と新サービスのパイプライン薄いな・・・」ってことに残念ながらなってしまう。そういう意味で相変わらずのオープンぶりに舌を巻く部分もある。
上記のようなことを勝手につらつら考えるに『「はてラボ」のサービス対象者は誰なんだろう?』という疑問が頭をよぎる。実験的とは言え、サービスなわけだからその対象者がきっといるに違いない。
「はてな」は既に多くの魅力的なWEBサービスを提供し、かなりコアなファン層を確立している。よって、はてなの新サービスであれば、希少な時間やアテンションを支払って、面白い使い方を見つけたり、フィードバックをすることを厭わない人も多いだろうし、「はてラボ」という取り組み自体に感動を覚え、提供されるサービスはさておき「やっぱ、はてなは面白いな〜!」と満足する方はいるだろう。
ただ、そういう非常にコアなはてなファンは、実際は全ユーザの中の2〜3%程度で(これは全くの感覚だが)、不特定多数というレベルには至らないと思われる。
サービス対象者をコアユーザのみとしているのか、より裾野を広げるつもりなのかは、わからないが、「はてラボ」を意図した形により機能させるためには、ユーザの裾野がなるべく広がることは重要だろう。ありがたいコアユーザの存在に甘んじず、「ちょっとネタ不足」でもユーザのインスピレーションを喚起するような面白いサービスが提供されることを「はてラボ」に期待したい。