Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

Googleのシリコンバレー・オフィスと才能至上主義経営

先週末より会社の休暇をとって一人でシリコンバレーに来ている。
シリコンバレーを一人で初めて旅する時のTips/苦労話などはロングテールの中でも相当さきっぽのほうに位置する情報だと思うが、帰国後にまとめてみたい。今回はGoogleのオフィスを実際に見て感じたことを書いてみたい。
Googleのオフィスを見て、頭に思い浮かんだ初めの言葉は才能至上主義経営という言葉だった。

シリコンバレーシリコンバレーたらしめている思想に、「個人の才能」への強い信仰がある。ハイテクビジネスにおける「個人の才能」の差は、プロスポーツやショービジネスにおけるそれとほぼ同じくらい大きい。
http://www.mochioumeda.com/archive/ss/971119.html

才能至上主義経営という言葉については、上記のエントリーや「成長を決めるのは個人の才能」で梅田さんが説明をされているが、群を抜いた技術力や経営能力を持った人材は非常に希少であるという前提の元、その希少な資源への投資、及びその資源がいかんなく力を発揮することを経営戦略の重要な柱と位置づける経営の発想法と私は理解している。
Googleシリコンバレー・オフィスを見て感じたのは、その希少な資源の力を最大限発揮できる環境整備が徹底されてなされているということだった。


緑と青空に囲まれた広大な敷地に美しいオフィスビルがひょっこりたっており、ビルの中には入れないが敷地内は出入自由(本当に自由かどうかは定かではないが・・・)。


「カリフォルニアの「北」(シリコンバレー)と「南」(ハリウッド)」でも紹介されている有名なカフェテリアは天気が良いとさんさんと日が射し、座っているだけでものすごくリラックスできて気持ちが良い。土曜日に言ったのでカフェテリアのテーブルの上にはビールの瓶が散乱していた・・・。


そして、本当に社員が使うのかはわからないが、ビーチバレーのコートまで完備されており、非常に楽しげ。


上記のような環境が整備されている点については無料でおいしいカフェテリアはさておき、シリコンバレーの一流企業はそう大差はない気がした(Microsoftにはビーチバレーのコートだけでなく、バスケットボールのコートもあった)。人を大量に採用したり、ラインを大幅に増設することによって生産量をあげるのではなく、価値ある生産をすることができる希少なリソースが最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整備することによって、知的生産を活性化する、そんな思想が忍び込んだオフィスからは感じられた。


この開放的なキャンパスで緩急をつけながら仕事をする自分と東京で仕事をする自分を想像上で対決させてみたが、能力が同じであれば前者にはとても東京にいて勝てる気がしない・・・。思想はまねすることができても、自然環境をまねることはできないのだから。この地から生まれる成果のバックボーンの一端を見た気がした。

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