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ktdiskのブログ

読んだ本の感想、所々の雑感、日々のあれこれを綴るブログ。

"百科事典"と"千科事典"

あけましておめでとうございます。
今年もあれやこれやと考えた雑感をつづっていこうと思いますのでよろしくお願いいたします。

To put it another way, the quality range in Britannica goes from, say, 5 to 9, with an average of 7. Wikipedia goes from 0 to 10, with an average of, say, 5. But given that Wikipedia has ten times as many entries as Britannica, your chances of finding a reasonable entry on the topic you're looking for are actually higher on Wikipedia. That doesn't mean that any given entry will be better, only that the overall value of Wikipedia is higher than Britannica when you consider it from this statistical perspective.
別の言い方をすると、ブリタニカの品質は5から9の間にあり、平均すると7になる。一方でWikipediaの品質は0から10の間にあり、平均すると5になる。しかし、Wikipediaのエントリーはブリタニカの10倍はあるため、調べたいトピックについての妥当なエントリーがある可能性はWikipediaの方が高い。だからと言って全てのエントリーがよいというわけではないが、統計的な見方をすれば、全体的な価値はブリタニカよりWikipediaのほうが高いと言える。
http://www.thelongtail.com/the_long_tail/2005/12/the_probabilist.html

クリス・アンダーセンのブログのコメント欄にWikipediaについて上記の記載があった。

  • エントリーの平均点はブリタニカの方が優れている
  • エントリー自体が10倍あるため価値の高いコンテンツの総量はWikipediaのほうが優れている

というようにまとめることができ、事実かどうかはさておき、感覚的には正しいように思える。"Wikipedia VS ブリタニカ"という構図はよくあるが、仮に上記の指摘が事実と仮定すると、"百科事典"という同じカテゴリで両者を無理やりくくること自体に無理がある。"百科事典"と"千科事典"とではえらい違いだ。どちらかの肩をもつことにやっきになるより、情報の消費者としては、適切に情報のソースを使い分けることのほうが大事なように思う

By providing a free, easily and universally accessible information source at an average quality level of 5, will Wikipedia slowly erode the economic incentives to produce an alternative source with a quality level of 9 or 8 or 7?
平均5点の無料で、簡単に、誰でもアクセス可能な情報を提供することにより、Wikipediaは7〜9点という質の代替情報を生産する経済的なインセンティブを徐々に侵食する。
http://www.roughtype.com/archives/2005/12/have_faith.php

ニコラス・カーは平均7〜9点の情報がWikipediaのパワーでなくなることを危惧しているが、情報の消費者の視点でみれば1割の7〜9点の情報を維持するために、9割の0〜10点の情報がなくなるなんてことも受け入れがたい。企業は使命をもって動くもの。"百科事典"作成開始時の使命に従い、"Participation"、"Wisdom of Crowd"など技術革新の結果としてうまれた情報の有り様に重大な変化をもたらす流れをうまく活用し、価値の高いより多くの情報を提供すべく知恵を絞るしかブリタニカが生き残る道はない。できるかできないかは当事者であるブリタニカ次第で、周囲が心配することではないように思う。

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