Thoughts and Notes from CA

アメリカ西海岸の片隅から、所々の雑感、日々のあれこれ、読んだ本の感想を綴るブログ。

Internet Trend

2007年予測 インフラただ乗り問題はどこへ行く?

前回に引き続き、id:yomoyomoさんところ経由で知った海外著名ブロガーの2007年予測からの抜粋。 10) The year the net crashed (in the USA). Video overwhelms the net and we all learn that the broadband ISPs have been selling us something they can'…

2007年予測 マイクロフォーマットの足踏みは今年も続くのか?

id:yomoyomoさんの"海外著名ブロガーの2007年予測をざっと集めてみる"というエントリーで海外の著名のブロガーの2007年予測のインデックスが紹介されている。ざーっと読んで見て興味をひいたものをしばらくの間紹介して、コメントをいくつかつけてみたい。 R…

投資家へのアピールに反して今ひとつなGoogleの情報開示

"AdWords優先表示問題に感じる「Google分割論」の予兆"という先日のエントリーの注記でとりあげたGoogleの"Tips"がひっそりなくなったとのこと*1。 みんなに散々叩かれたGoogleの“Tips”が、音もなく忽然と消えた。 Tipsはオーガニック検索の上にGoogleが自社…

AdWords優先表示問題に感じる「Google分割論」の予兆

「GoogleはAdWordsで自社のサービスを優先的に上位に表示しようとしており、Don't be Evilとか言いながらEvilなんじゃないか!」という議論がアメリカでおこっているらしい。"When the auctioneer bids"というNicholas Carrのエントリーが詳しいのだが、要点…

良エントリー5選で振り返る2006年

昨日からようやく年末年始の休暇。書斎の「こちら側」の物理的な大掃除も無事終わったので、「あちら側」のほうも整理を少しするかと、今年はてブをつけたエントリーのコメント欄をざーっと読んで見た*1。 私はがしがしブックマークをつけるほうではない。今…

ヤクルトレディにみるダークマター風味

id:essaさんのメタファーは相変わらずうまく、面白い。 銀河系というものは、見える物質だけでは説明できない動きをしている。宇宙は、見えない物質、「ダークマター*1」で満たされていることが、だんだんわかってきた。 このダークマターというものに、「エ…

Amazonの2枚のピザとAPI公開

前回のエントリーでも引用した"Jeff Bezos' Risk Bet"の中で、Amazonの開発体制に関する面白い話がある。 Small, fast-moving groups of five to eight Amazon employees now could go hog wild with new ideas, such as customer discussion boards on each…

Amazonの次の一手は何をもたらす?

Google, MySpace, and YouTube cracked open for the masses the means to produce media and the advertising that sustains it, creating tens of billions of dollars in market value and billions more in new revenues. Now, by sharing Amazon's infr…

Google CheckoutとCastingWordsを使用してみた

"CastingWords"というPodcastのスクリプトを作成してくれるサービスがある。 英語の勉強のために英語のPodcastを聞いているのだが、早口のものが多く、私程度の英語のヒアリング能力では数度聞いてもなかなか聞き取ることができない。 私の英語学習のバイブ…

Amazon Web Serviceを強烈に下支えするAmazonの成功体験

"アマゾンのユーティリティコンピューティング事業参入--CEOベゾス氏が狙う今後とは"を読んだ。少々長いがかなり面白い。要点は下記の通り。 AmazonはAmazon Web Service(以下、AWS)という小売とは別のユーティリティコンピューティング事業を営んでいる A…

楽天の「爺殺し2.0」

これまでWeb 2.0企業であると「宣言」するだけだった楽天。それが2007年、APIの公開などで「実現」に向かう見通しであることが、11月16日の決算説明会の席で、初めて明らかになった。 上記の記事へのトラックバックは、本エントリーが23番目。大量のトラック…

MicrosoftとGoogleが熾烈に戦う領域

日経ビジネスの11月13日号で"転身経営者が拓く"という特集があり、第1回目はご存知エリック・シュミットでなかなか面白い。 グーグルにとっての成功モデルは、マイクロソフトともヤフーとも違う。ラリーとサーゲイ、そして間違いなくグーグルに加わった私も…

最近のありきたりなGoogle批判へのありきたりな批判

日経ビジネスの11月13日号で"米グーグルの採用協奏曲"という記事があった。要旨は下記の通り。 採用のハードルの高さが会社の成長を阻害していることをブリンがアナリストに認めた 今第三四半期は1日平均16人が入社するなど採用のペースをさらに上げている …

急がば回れ Lessigの言う「第2の経済」でのビジネスモデル作り

the Internet has reminded us that we live not just in one economy, but at least two. インターネットは、我々はたった一つの経済の中だけで活動しているわけではなく、少なくとも2つの経済の中で活動をしていることを気づかせてくれる。 Lessigは、我々…

Web 2.0のメカニズムは搾取か?

Nicholas Carrがまたまた下記のような過激なことを書いている。 Web 2.0's economic system has turned out to be, in effect if not intent, a system of exploitation rather than a system of emancipation. By putting the means of production into the…

"理系ナスダック"は"ぷちナイス"GEを上回ることができるのか

私なりに言いかえるとこれは、文系を排除した理想のナスダック、つまり「理系ナスダック」である。 内部に対しては「愚図愚図してると『理系ナスダック』で外部から調達しちゃうぞ!」というプレッシャーを与え、外部に対しては「自分のサービスに自信がある…

Google YouTube買収にみる夢のない現実

GoogleによるYouTube買収で当然のごとくBlogosphereは大盛り上がりで、肯定的な見方が多いように思う。YouTubeにとっての戦略的意味は、豊富な資金と大量のトラフィックを現金化する広告ノウハウ・インフラの入手にあり、Googleにとっての戦略的意味は、動画…

シリコンバレーは4枚目のカードを手にすることができるのか?

シリコンバレー精神 -グーグルを生むビジネス風土 (ちくま文庫)作者: 梅田望夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2006/08/10メディア: 文庫購入: 25人 クリック: 263回この商品を含むブログ (241件) を見る①シリコンバレー全体が目指すべき方向の合意(グー…

日経ビジネスのGoogle特集が半歩遅れながらもまともな件

今週の日経ビジネスの特集は「グーグルはなぜタダなのか」というGoogle特集。日ごろネットで情報収集している身としては、内容として目新しいことは特になかったが、比較的真っ当な話しが多く、「タダでサービスを提供し、収益源は所詮広告料だけ」という旧…

Google.orgという社会への配当

GoogleがGoogle.orgという慈善事業"会社"を設立した。慈善事業をやらせても、Googleはやはり普通でない。"Philanthropy Google’s Way: Not the Usual"というNYTの記事を読むにポイントは下記3点。 Google.orgはNPOではなく、営利企業という形をとっているが…

mixi成長のための5段ロケット 華々しく飛ぶのは何発か?

初日の最終気配値で見ると時価総額が2221億円で、すでに新興市場を代表するかのような企業価値になっている。 この価値を正当と見るか、過度で行きすぎたプレミアムがついたと見るかは議論の余地があるだろうが、・・・ ミクシィの第2幕はM&Aも視野に入れた…

スーツ族の視点でみるオープンソース

「シリコンバレー精神」の発売記念で開催された、梅田さんと吉岡さんの対談イベント「「シリコンバレーのビジネス風土」と「オープンソースの思想」」に参加してきた。本書の舞台である1996年から2001年のシリコンバレーで経験・時間を共有されたお二人の対…

Googleの提供するハードウェアのついたソフトウェア

先日Googleはコンピュータを外販しないというエントリーを書いたところ、ブックマークのコメントでGoogleはGoogle検索アプライアンスとGoogle Miniというコンピュータを販売しているのでは、という指摘を頂いた。 Google検索アプライアンスとGoogle Miniは、…

eBayとGoogleの提携が意味すること

eBayとGoogleが、米国外のeBayサイトに表示される検索連動型テキスト広告で提携することを発表した。今後は2社で広告収入を分け合うことになる。また、インターネット音声通信技術を用いて広告主と消費者を結びつける「Click-to-Call」広告の開発でも、両社…

「理系/技術者」は社会主義の夢をみてはいけない

My Life Between Silicon Valley and Japan グーグルの垂直統合思想 アンカテ(Uncategorizable Blog) Googleの特異な「垂直統合」思想に「文系が悪いメソッド」を見る 流石にこのお二人のからみは面白い・・・。 つたないながらも、良エントリーを読んであれ…

Googleはコンピューターを外販するか、しないか?

グーグルは、間違いなく超並列分散処理コンピュータのOSまでは「垂直統合」することに決めて、粛々と開発を進めている。 そしてその先に半導体まで作るんじゃないか(「垂直統合」していくのではないか)という話を書いているところが、この記事のもう一つの面…

mixiの有価証券報告書トリビア

mixiが東証マザーズに上場するとのこと。上場するにあたり、有価証券報告書が作成され、それが閲覧可能になっているのでちらっと見てみた。mixiという事業の運営を開始したのが、2年半前であることを考慮すると、過去のトレンドから今後の成長率をみることに…

こどものブログ考

無事生まれました。 : tokuriki.com 徳力さんのところに無事お子さんが生まれたとのこと。以前、梅田さんの本の出版記念でご一緒させて頂いただけの縁だが、心の底からお祝い申し上げたい。私も昨年第一子が生まれた身で、生まれた日にはてなで子供のブログ…

GoogleのIR活動考

グーグル、第2四半期決算を発表--アナリストの予想を上回る好決算 遅ればせながらGoogleの第2四半期決算の資料をざっと読んでみた。 経営者が四半期単位の売上の増減にあまり関心がなく、アナリストに対し十分な情報開示をしていないことを考えるとアナリス…

アテンションエコノミーにおけるソーシャルブックマークの意義

前回に引き続き『アテンション!』ネタを。アテンション!作者: トーマス・H・ダベンポート,ジョン・C・ベック,高梨智弘,岡田依里出版社/メーカー: シュプリンガー・フェアラーク東京発売日: 2005/09/13メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 34回この商品を含…

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